大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和24(れ)2763 判決

主 文

本件各上告を棄却する。

理 由

被告人Aの弁護人吾野金一郎の上告趣意について

原判決の没収の擬律に犯罪の「借用物」とあるのは「供用物」の明らかな誤記で

あることが認められる。そして押収に係る日本刀が本件犯罪の供用物である以上刑

法一九条一項二号二項を適用して右日本刀を没収したものであることは原判文自体

によつて明らかに認め得るところであるから論旨は理由がない。

被告人Bの弁護人宗政美三の上告趣意について

原審公判調書に原判決が没収した所論日本刀について証拠調をした形跡のないこ

とは所論のとおりである。公判においていかなる限度に証拠調をするかは事実審の

載量に委されているところであり、押収に係る物件といえども必ずしも常に証拠調

をしなければならぬということはない。また、公判において証拠調をしない押収物

について没収の言渡をしても違法でないことは既に当裁判所の判例とするところで

あつて論旨は採用し難い。

(昭和二三年(れ)第四三九号昭和二三年七月二九日第二小法廷判決、集二巻九

号一一〇五頁参照)

同被告人の弁護人今西貞夫の上告趣意第一点第二点について

しかし原判決挙示の各証拠を綜合して所論共謀の事実を認定したことは当裁判所

においても肯認し得るところである。よつて論旨は理由がない。

同第三点について

公判においていかなる範囲程度の証拠調をするかは、事実審裁判所の裁量に属す

ることであるから、原審が所論証人Aを取調べなかつたことを違法ということはで

きない。また原判決が第一審公判調書中のCの供述記載を証拠に引用していること

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は所論のとおりであるが、原審弁護人が原審公判において右Cを証人として申請し

た形跡は記録上認められない。さすれば原判決には所論刑訴応急措置法一二条の違

反はない。それ故論旨は理由がない。

よつて刑訴施行法二条旧刑訴四四六条により主文のとおり判決する。

この判決は、裁判官全員一致の意見である。

検察官 竹原精太郎関与

昭和二七年一二月四日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 真 野 毅

裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 岩 松 三 郎

裁判官 沢田竹治郎は退官につき署名捺印することができない。

裁判長裁判官 直 野 毅

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